「オフィスチェア」とは一般的には事務作業などで使われるイスを指します。
事務所などの会社内(オフィス)での使用に合わせて設計されているため「オフィスチェア」とされています。
長時間の使用が多いため快適に使えるものを選択することで、使用者の身体的なストレスを軽減し、業務の効率化にもつながります。
そのため、状況に併せて様々な機能が求められますが、その中で見落としがちな足元、「キャスター」の違いによる快適性の向上について紹介します。
キャスターとは
チェアの脚の先端についた小型の車輪を指します。
4本脚のチェアもありますが、移動時の転倒防止、スムーズな移動に適した5本脚のものが一般的です。
キャスターがついたチェアは体勢を変える際に、体の動きに合わせて平行移動できるため腰や背中などの負担を減らすとともに、正しい姿勢を取りやすくなります。
キャスターで何が変わるのか?
チェアに使われる主なキャスターは3種類。
ナイロンキャスター、ゴムキャスターとウレタンキャスターです。
それぞれのキャスターによって床との相性があるため、どんなに快適なチェアをチョイスしていても、思うような満足感が得られなかったり、気が付くと床が傷だらけで思わぬ出費が必要になったりします。
快適なビジネスシーンを得るためにも、チェアを選ぶ際はキャスターの種類についても気をつけていただきたいです。
ナイロンキャスター
一般的なオフィスチェアに使われているキャスターです。
硬い素材で、動きもスムーズなのでオフィスのフロアカーペットなどの適度に柔らかい床との相性が良いのが特徴。
OAフロアなどで使われるタイルカーペットにも適しているので、販売されているオフィスチェアには、このキャスターが使用されていることが多いです。
半面、硬いPタイルなどの床では滑りすぎてしまい、キャスターがスリップしてしまったり、ちょっとした動きで思った以上に移動してしまうなど動きが安定しないので注意が必要です。
フローリング床でも、動きが良すぎて安定不足を感じることもあります。
またキャスター自体に硬さがあるためフローリングだと体重のかけ方などにより床を傷をつけてしまうこともあり、チェアマットを引くなどの対策も必要になります。
ゴムキャスター
柔らかい素材で、昔から広く使われているキャスターです。
ゴムの柔らかさはしっかりとしたグリップで硬く滑りやすい床でも使いやすくなっています。
Pタイルなどの床だけでは無く、多少の砂埃などがある場所でも使えるため倉庫や工場などの硬い床にも向いています。
グリップ力がある分、柔らかい床とはあまり相性が良くなく、フローリングなどだと動きがいまいちになり思うように移動ができないことも。
また、車のタイヤでもあるように、移動時にタイヤ痕がついてしまう場合もありうるので、自宅などで使用する際には気をつけてください。
カーペットなどでは、摩擦が強く繊維がタイヤに絡んでしまうため、床もキャスターも傷つく要因となりますのでお勧めできません。
ウレタンキャスター
ナイロンとゴムの中間的な硬さを持つのがウレタンキャスターです。
適度な硬さでそれぞれの良いところを持ち合わせているので柔らかい床から硬い床まで幅広く使うことができます。
程よい硬さで静穏性も高く、傷がつきやすいフローリング床にも適しているため、テレワークなどの在宅勤務様に個人で購入される際に選ばれることも多い素材となっています。
ただし、やはり、カーペット床ではナイロンキャスターよりは動きがわるくなり、Pタイルなどの床はゴムキャスターより滑りが大きくなります。
使いづらいという事はないですが、比べてしまうと最適な選択とは差が出てしまいます。
高機能チェアでナイロンキャスターとの選択ができる事が多いため、ランクが高いように思われることもありますが、適材適所での選択をお勧めします。
スムーズな移動を、スマートな仕事の為に
一日の大半を座って過ごす仕事の場合は、ちょっとした使い勝手の違いで大きな効率の違いが出る事や、集中力や体調への影響がある場合もあります。
長く使うことで身体的にストレスが溜まってしまうこともあります。
快適な座り心地のチェアを考えるなら、しっかりと「足元」から選んで見てはいかがでしょうか。