備えない防災『フェーズフリー』を習慣化するには、金庫が有効!

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フェーズフリーって何?

防災のテレビ番組などで、最近よく耳にする「フェーズフリー」。
これは、私達が生活している中で、「日常時」と「非常時」という2つのフェーズ(状態・局面)をフリー(自由)にすることで、身のまわりにあるモノやサービスを、日常時はもちろん、非常時にも役立つように生かそうという考え方です。

防災グッズや備蓄品と言えば、その殆どが非常時に備えて、非常時のみに必要な物を取り出して使用するのが一般的です。

しかしながら、実際は、「何をどのように備えたら良いのかよく分からない」「保管するスペースが無い」、「非常時にだけ利用する物にコストをかけられない」など、日常時と非常時の隔たりが多くあり、「備えの難しさ」と「フェーズフリー」への理解、対応が社会的課題と言えます。

フェーズフリーに対応したアイテムとは?

どんなに優れた防災グッズや備蓄品を整えていても、災害は多くの命や財産、家屋や家族との思い出さえも奪っていきます。災害発生後の生活再建や生きる望みまでは、守ってくれていないのではないでしょうか?

そこでお勧めするのは日常時の汎用性と非常時の有効性を兼ね備えた「金庫」です!

「金庫の日常時の汎用性」とは、「金庫」があることで「大切なモノ」を日頃から一定の場所に保管・管理、家族で使用・共有することで生活再建に必要な「生活」と「財産」を守り、人生の財産である写真など「思い出」や「家族の絆」を未来へ繋げる役割を持っています。

災害時の金庫の役割とは?

「金庫」と聞くと、資産価値の高い物などを保管していて、お金持ちの家に設置している物だと思われる方も多いですよね。さらに、キャッシュレス化やクラウド化が進み、「金庫」そのものに古い時代のイメージを持つ方も多いかと思います。さらに、日常時・非常時に関係なく金庫を建物内に置くこと自体が、たいへん不用心だと思う方も多いでしょう。

では先に、金庫を設置していない場合を考えてみると、大抵は世帯主又は世帯の収入を管理する立場の人がタンス預金や預金通帳、銀行印などをそれぞれ別々の箇所に隠すように保管されていると思います。これは、その本人しか把握していないから大丈夫と思われがちですが、意外に直ぐに発見されやすい箇所に保管されているケースが多く、泥棒が侵入した際には簡単に盗まれてしまいます。
さらに、家族写真や子どもの思い出のものなどは家の中に分散され、非常時、つまり災害時の避難の時には「大切なモノ」を一括して持ち出すことは不可能です。まして、地震による家屋が倒壊や風水害の被害を受けた時には、家をはじめ貴重品や写真、思い出のものなど全てを失ってしまいます。

このように防犯防災機能を有する金庫は、人的被害と物的被害から日常時も非常時も「大切なモノ」をがっちり守ってくれる生活の必需品と言えます。

「金庫」は日常時の汎用性と非常時の有効性を有しているので、活用することにより「フェーズフリー」が習慣化されます。それは、日常時から「金庫」がそこにある、日常的に使っているという「備え」の意識と「大切なモノ」への対応力が、私たちの「頭の中」と「心の中」に自然と意識されて日々アップロードされます。保管には、貴重品以外に、家族写真、お子さんからの手紙、形見、賞状など深い価値や思い出のあるものを入れることで、日頃から保管物のみならず「金庫」自体にも愛着を持って使用するようになるのです。

そして、非常時には「金庫」が家の「大切なモノ」を守ってくれるので、冷静に判断して、避難のタイミングを逃さない行動力が向上し、命を優先できることになるのです。

まとめ

日常時と非常時は、置き換えると社会にある「目に見えないもの」と、「目に見えるもの」でもあります。心は見えないが、「心使い」は見える。思いは見えないが、「思いやり」は見える。大切は見えないが、「大切さ」「大切なモノ」は見える。見えてこそ、初めて実感、安心するものです。

非常時の備えが大切なのは分かっているけど、思いや心構えだけでは無意味であり、大切を見える形にするには日常時からの「金庫」の設置が有効であると言えます。時代は、貴重品や現金のみの保管イメージの「金庫」から、家族やその人の人生を守ってくれる“「大切なモノ」庫”を必要とするでしょう。

【監修】
野村功次郎(防災家・防災スペシャリスト)
日本テレビ「世界一受けたい授業」の防災スペシャリストの先生、「THE・突破ファイル」再現ドラマのスーパーバイザーでも有名な講師。22年間の消防士経験で得た、災害、救急、防災等の現場での技術、知識、エピソードを元に、独自のスタイルでわかりやすく丁寧にアドバイスする防災のスペシャリストとして活動。

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