会社に来ると無性に肩が凝る、腰が痛い…そんなお声をよく耳にします…。『年のせいだな』、『デスクワークにはつきものだよね』と、諦めてしまうのはちょっと待って!なぜならその症状、椅子と机のサイズが合ってないことが原因かもしれません!
そこで、今回は、意外と知られていないデスクワークを快適にする、椅子と机の適正サイズを身長別の一覧表にまとめました。さらに、サイズの正しい計り方、調整の仕方、その際に起こりうる問題の解決法についても紹介します。とても大切な内容ですのでぜひ最後までお付き合いください。
オフィス作業に最適な椅子と机の高さを知ろう
『重要なアイテムだと分かっているのに、満足度が低い…』そんなオフィス家具の代表が『椅子』です。これは、自身に最適なサイズを知らないことが原因の一つといえます。体に合っていない椅子は疲れを増幅させてしまいますから、早急に改善しましょう。まずは、オフィスの作業に最適な椅子の高さと机の高さを知っておきましょう。
身長別/椅子と机の高さはどう決まる?
椅子と机の高さは、身長によって最適な高さがあります。算出方法は次の式で計算できます。
椅子(座面)の高さ=(身長×0.25)-1
机の高さ =椅子高+ (身長×0.183)-1
ちょっと複雑・・・という方のために!オフィス作業に最適な机と椅子のサイズを一覧でご用意しました。身長別(148cm~188cm)になっていますので、計算の必要はありません。次の一覧を見て頂ければ一目瞭然ですね!
身長(cm) | 机の高さ(cm) | 椅子(座面)の高さ(cm) |
椅子高+(身長×0.183)-1 | (身長×0.25)-1 | |
148 | 62.1 | 36.0 |
149 | 62.5 | 36.3 |
150 | 63.0 | 36.5 |
151 | 63.4 | 36.8 |
152 | 63.8 | 37.0 |
153 | 64.2 | 37.3 |
154 | 64.7 | 37.5 |
155 | 65.1 | 37.8 |
156 | 65.5 | 38.0 |
157 | 66.0 | 38.3 |
158 | 66.4 | 38.5 |
159 | 66.8 | 38.8 |
160 | 67.3 | 39.0 |
161 | 67.7 | 39.3 |
162 | 68.1 | 39.5 |
163 | 68.6 | 39.8 |
164 | 69.0 | 40.0 |
165 | 69.4 | 40.3 |
166 | 69.9 | 40.5 |
167 | 70.3 | 40.8 |
168 | 70.7 | 41.0 |
169 | 71.2 | 41.3 |
170 | 71.6 | 41.5 |
171 | 72.0 | 41.8 |
172 | 72.5 | 42.0 |
173 | 72.9 | 42.3 |
174 | 73.3 | 42.5 |
175 | 73.8 | 42.8 |
176 | 74.2 | 43.0 |
177 | 74.6 | 43.3 |
178 | 75.1 | 43.5 |
179 | 75.5 | 43.8 |
180 | 75.9 | 44.0 |
181 | 76.4 | 44.3 |
182 | 76.8 | 44.5 |
183 | 77.2 | 44.8 |
184 | 77.7 | 45.0 |
185 | 78.1 | 45.3 |
186 | 78.5 | 45.5 |
187 | 79.0 | 45.8 |
188 | 79.4 | 46.0 |
最適サイズが分かったら、早速、確認
現在、お使いの椅子や机の高さを、早速確認してみましょう。まず、椅子は座面の高さが基準です。床から垂直にメジャーを伸ばし、座面の一番高い部分を測っていきます。素材上、座面に厚みがある場合は特に注意が必要。最も手前の部分ではなく、あくまでも一番高い部分を測るようにします。
机の高さは、床から天版までの高さを指します。また、「椅子の座面から、テーブルの天板まで」を差尺といって、差尺は平均的に27cm~30cmが適切だとされています。
椅子も机も最適な高さに調整できればベストですが、机の高さは簡単に変えられないタイプも多いですよね。その場合は、椅子側でバランスをとる必要がありますので、その際の参考指標となる式をこちらに紹介しておきます。机の高さをベースに座面高を求めることができるので活用ください。
理想の座面高[cm]=机の天板の高さ[cm]-差尺[cm]
サイズが合わないと悲しい結末…
毎日履く靴はどんなに高性能で上質な皮が使われていても、サイズが合っていなければ心地よく歩くことはできませんよね。靴ずれができて悪化すれば、その後の足のコンディションにも影響を及ぼします。椅子に関しても同じ事が言えます。自身の体に合っていなければ、椅子本来の持つ機能も正しく享受できませんし、何より座る上での快適度は低く、仕事の作業効率も高まりません。
良い姿勢とは?
そもそも、座っているときに疲れにくい姿勢、身体に負担のかからない姿勢とはどういったものなのでしょうか?いくつかポイントがありますので、ご自身の座り姿勢と比較してみましょう。
\座った時の正しい姿勢は以下をチェック/
- ①奥まで深く腰掛ける
- ②骨盤上部をしっかり背もたれにつける。
- ③足がしっかりと地面に接地し、かかとが床につく。
- ④肘・ひざ・足首の角度は約90°に。
- ⑤パソコンを使う場合は水平視線より少し下に
いかがでしたでしょうか?
ポイントが抑えられていないと、身体に負担がかかり、肩凝りや腰痛などが出てきてしまう恐れがあります。よくある問題と、解決法をご紹介していきます。
椅子の高さについて
椅子の座面高は基本的に10cmほどの調整幅がありますが、多くのチェアは最低座面高を42cm以上とするデザインが主流です。小柄な方は足が浮いてしまい、姿勢が安定しません。
足が浮いてしまうと、体圧が分散されず、座面に接しているお尻や太ももが圧迫されてしまいます。無意識のうちに無理してつま先立ちになったり、足が届くように浅く腰かけてしまう方もいるかもしれません。
“椅子が高すぎる”という場合は、足がしっかり接地できるようフットレスト(足置き)を使いましょう。
回転式のキャスターであれば、非回転式の固定脚に変えることでベースの高さを低くできる場合もあります。こちらはデザインによっては難しいものもあるので、気軽にご相談ください。
机の高さについて
デスクの一般的な高さは70cmが主流です。これは1971年にJISが、【日本人の平均身長】を元に標準サイズを規定したものです。その後、日本人の身長の変化に伴い、現在では72cmが推奨サイズとされています。デスクの高さが72cmあれば、車イスの肘もひっかかることなく、天板の下に入り込みます。オフィスデスクを選ぶ際の知識として押さえておいて損はないでしょう。
長身の方の場合はデスクの高さが低く、猫背になってしまう、差尺が少なく作業がしづらい、という問題が起こるかもしれません。
最も手っ取り早いのは昇降式のデスクにしてしまうことです。使用する人やチェアに合わせて最適な高さに調整することが可能です。やや高価になってくることが多いので、予算を抑えたいという場合は下記の方法をお勧めします。
アジャスターで調整
オフィスデスクの種類によっては、デスクのアジャスターを変更することで、少し高くできるものがあります。
机上ラックを使用する
デスクを高くすることはできませんが、パソコンの位置を高くして作業をしやすくします。
継ぎ足しパーツを使用する
4本足のデスクやテーブルであれば、足を高くするためのパーツが市販されています。それらを使用して、高さを出すことが可能です。
買い換えるというコストダウン
調整が難しい場合は、買い替えも視野に入れましょう。悪い姿勢のまま長時間の使用を続けていると、疲労やストレスの元となります。病院に通わなければならないような状態になれば、それは継続的な経済的負担にも繋がりかねません。今や朝から晩まで一日中モニターと向かい合うことも一般的。パソコンの使用は仕事において欠くことはできませんし、この傾向は今後も高まっていくでしょう。適正サイズの椅子、そして机を使用することは、健康的に働くための必要不可欠な要素だといえそうです。
高さ調節でありがちな悩みとは?
サイズをちゃんと合わせたはずが、気づくと椅子が下がってきている…こんな経験はありませんか。困りますよね、おっしゃる通りです。これは、いったい何が原因で、その場合どう対処すればいいのか、ありがちなお悩みについても説明をしておきます。
椅子が勝手に下がってくる…
さまざまな体格の人が使うオフィスチェアは、レバー一つで簡単に椅子の高さが調整できるものが多く、それらはガスシリンダー式であることがほとんどです。ガスシリンダー式とは、内部のガスの圧力で動かす仕組みをいい、経年劣化でガスの圧力が弱まると、仕組みがうまく機能しなくなり、「勝手に下がってくる」という現象が起きるのです。一般的な修理の方法としては、ガスシリンダー自体の交換が必要になります。部品のみの販売もされてはいますが、まずは販売店またはメーカーに問い合わせをしてみましょう。
まとめ
いかがでしたか。本来、椅子や机には使う人独自の適正サイズがあることを、今回初めて意識された方も多いのではないでしょうか。私たちは車を運転する際、シート位置を調整し安全に運転できる状態を確保します。これはオフィスにおいても同じことがいえます。椅子や机の位置を整えることで、正しい姿勢が保たれ、業務の効率が上がり、ひいては生産性の向上が図られて行く、プラスのスパイラルがそこには存在します。椅子と机のサイズ感の大切さについて心に留めていただいて、皆さんの「心地よさ」に配慮した職場作りがなされることを願っております。最後までお読みいただき、ありがとうございました。